沖縄慰霊の日、平和を誓う


 沖縄は23日、太平洋戦争末期の地上戦で犠牲となった多くの住民らを悼む「慰霊の日」を迎え、県主催の沖縄全戦没者追悼式が糸満市摩文仁の沖縄県平和祈念公園で開かれた。沖縄戦の組織的な戦闘が終結してから73年。追悼式には、安倍晋三首相や衆参両院議長ら5100人が出席し、20万人余の戦没者に哀悼の意をささげ、平和への誓いを新たにした。

沖縄県平和祈念公園

戦没者の名前が刻まれた「平和の礎」の前で手を合わせる女性=23日午前、沖縄県糸満市の沖縄県平和祈念公園(豊田剛撮影)

 安倍首相はあいさつで、「戦争の惨禍を繰り返さないために不断の努力をする」と誓った上で、「沖縄の基地負担軽減に全力を尽くす」と強調した。政府からは福井照沖縄担当相や小野寺五典防衛相、加藤勝信厚労相も出席した。

 翁長雄志知事は平和宣言で、沖縄の過重な基地負担に言及しながら、「アジア地域の発展と平和の実現に向け、国際社会に貢献する役割を果たしていかなければならない」と述べた。

 浦添市立港川中3年の相良倫子さん(14)が「生きる」と題する平和の詩を朗読。「この青に囲まれた美しい故郷から、真の平和を発信しよう。一人ひとりが立ち上がって、みんなで未来を歩んでいこう」と力強く読み上げた。

 犠牲者の名前を刻んだ同公園内の「平和の礎(いしじ)」には、今年新たに58人が追加され、総数は24万1525人となった。

この日、沖縄県護国神社(那覇市)でも沖縄全戦没者慰霊祭、ならびに、島守防人に感謝する集いが開催された。