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増えるごみの不法投棄


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 沖縄県内の廃棄物処理業大手「倉敷環境」(沖縄市池原)が県から営業許可を取り消されてから1カ月以上が過ぎた。

 県は、同社が組織的に隠蔽しようとした悪質な違反行為があったとみて、昨年8月から10月にかけて5回現地調査し、不法投棄の実態を確認し、改善が期待できないという理由で営業停止に踏み切った。

 その結果、同施設周辺では不法投棄が増え、近隣住民は困惑している。多くの人が祈願をする“聖地”知花城跡周辺にも自転車、洗濯機、タイヤ、一斗缶などの不法投棄が目立つ。

 県は対策として、別の焼却場の利用を求めているが、思うように進んでいない。「別の焼却場に行くのが面倒」という不満が漏れ伝わる。本島内の管理型最終処分場は現在、倉敷環境を含めて民間3カ所だけでほぼ満杯状態にある。県が別会社の運用許可を審査するだけで少なくとも半年を要する。

 沖縄市の桑江朝千夫市長は、「県は何の相談もなく、一方的に営業停止をし、何ら解決策を示さない」と述べ、「観光立県をうたいながら、不衛生であっていいのか」と疑問を呈した。

 中でも、米軍牧港補給地区(浦添市)の倉庫群が沖縄市の嘉手納弾薬庫地区に移転する準備で、米軍の粗大ごみは行き場を失っている。

 産廃処理にかかるコストが上がれば、家電や家具など商品の価格などに転嫁され、県民の負担増につながる。ごみ処理代の節約のため、さらに不法投棄が増えるという負のスパイラルに陥る危険性がある。

 こうした中、中城村と北中城村が米軍ごみの受け入れを表明し光明が差したかと思われたが、議会や市民団体が反対をし、調整が難航している。

 県がイニシアチブを発揮しない限り、地域住民の不満は収まりそうにない。

(T)