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県公安委員の人事で圧力か


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 沖縄県公安委員の人事で翁長雄志知事は5日、天方(あまかた)徹氏を再任せず、元沖縄弁護士会会長の阿波連(あはれん)光氏を任命する人事案を県議会に提出した。これを受け、県議会総務企画委員会(渡久地修委員長)は6日、人事案を可決、自公は退席した。14日の本会議で承認されれば、22日付で阿波連氏が公安委員に就任する。

 県公安委員は3期9年務めるのが慣例となっており、わずか1期で退任するのは異例。天方氏は翁長県政が誕生した5カ月後の2015年4月に公安委員に就任した。野党の自民党は「県政与党・共産党の圧力だ」と批判している。

 状況を一変させたのは、米軍施設の移設工事をめぐる警備対応だ。北部訓練場(国頭村、東村)のヘリコプター離着陸帯建設工事への抗議活動を警備する機動隊の活動を「不当弾圧」と指摘する与党議員に対して、天方氏は「『不当弾圧』は主観的、扇動的で、必ずしも正しい表現ではない」と答弁した。

 本会議で一般質問した山川典二県議(自民)は「共産党の政治介入があった」と批判。照屋守之県議(同)も「議論が尽くされていない」と不快感を示した。

 知事に代わって答弁した金城武・県総務部長は「天方氏が所属する事務所の弁護士が(安慶田光男)前副知事の裁判に関わっており、(再任は)法的に問題ないが県民に疑念を抱かせると判断した」と説明した。ところが、関係筋によると、天方氏は少し前まで県から再任の方針を伝えられていたという。

 阿波連光氏は15年10月、こう述べている。

 「住民の生活に重大な影響をもたらす、基地を建設するに当たっては、地方自治の観点からも住民、自治体の同意が不可欠である。政府は、知事の判断を尊重すべきである」

(T)