アリーナ建設の是非問う村長選


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 任期満了に伴う北中城村長選が12月4日、投開票される。11月29日に告示され、元村役場企画振興課長の比嘉孝則氏(62)と現職の新垣邦男氏(60)が出馬した。

 北中城村は2010年7月に米軍専用施設の泡瀬ゴルフ場が返還され、昨年、県内最大のショッピングモールがオープンし、新たなまちづくりが始まっている。

 村長選の主な争点は、多目的アリーナ建設の是非だ。建物と土地を含めて36億円のプロジェクトであるアリーナは防衛省が75%補助し、残り25%の9億円を村が負担する計画。

 4選を目指す新垣氏はアリーナを推進。それに村民体育館と民間スポーツクラブを併設させる計画を推し進める。平成28年3月議会で、アリーナ関連予算が7対6の僅差で議会承認を得たことを後ろ盾にする。

 一方、比嘉氏は「村長3期12年」という村の不文律を破った現職に反発し、村議や各種団体の推薦を受けて出馬を決めた。公約には、アリーナ建設の見直し、子供医療費の中学生まで無料化を掲げる。

 アリーナは維持費だけでも年間約1億円が想定され、比嘉氏の陣営は借金と負の遺産を子孫に残してはならないと主張。アリーナの代わりとして複合的体育館の整備を公約に掲げる。

 隣接する沖縄市では、20年をめどに10万人が収容できる大アリーナ建設の計画が進んでいる。また、宜野湾市にはコンベンションセンターという複合施設があり、浦添市でもアリーナ建設計画がある。

 村の目玉となる大型アリーナを建設するのか、それとも、それに待ったを掛け、身の丈に合った規模と予算で村政運営するのか、村民の選択に注目したい。(T)