被災地の救援にオスプレイ


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 熊本地震の被害が拡大していることを受け、在日米軍は海兵隊の輸送機オスプレイを派遣するなどし、支援している。

 普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属の第265海兵隊中型ティルトローター機飛行隊所属のMV22オスプレイ4機は18日、米軍岩国基地(山口県岩国市)に向かった。在沖海兵隊の主力部隊である第31海兵遠征部隊(31MEU)の隊員らは岩国基地にスタンバイし、被災地入りに備えた。熊本県内では、救援物資集積所から被災地に飲食料や衣料など生活必要物資を輸送している。

 日本の災害支援にオスプレイが参加するのは初めて。中谷元防衛相は17日、「オスプレイは大規模災害に対し、高い機動力と空輸力を併せ持っている。早く物資を送るためにはオスプレイの能力は必要だ」と強調した。

 在日米軍司令官のジョン・ドーラン空軍中将は以下の声明を発表している。

 「九州で発生した地震で被災されたすべての皆様にお見舞いを申し上げます。我々は援助と支援を提供するために日本政府と緊密に協力しています。在日米軍の隊員たちはこの困難な時に皆様とともにあります」

 一方、普天間飛行場のゲート前付近では、反基地活動家らが「ノー・オスプレイ」と書かれた横断幕を手にしながら、「海兵隊は帰れ」と叫んでいた。

 同じ場所で、米軍にあいさつする市民運動を率いる手登根安則氏は、「オスプレイの任務は食料、水、その他生活物資を空から届けることによって、一人でも多くの人命を救うという崇高な行為」と指摘した上で、「救援活動中において、救援に当たる兵士の任務遂行の妨げにならないよう、普天間基地周辺での抗議活動の自粛を要請する」と文書を送ったが、送り返されたという。(T)