スポーツ観戦の魅力づくりを


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 球春と呼ばれる2月から3月にかけての沖縄は、プロ野球、サッカー、そして女子ゴルフの選手を間近に見ることができる。

 中でも、プロ野球キャンプは選手とファンの触れ合える機会が多く、練習試合は無料。2月下旬には、ソフトバンク、西武、オリックスを除く9球団が沖縄に集結した.

 沖縄キャンプの始まりは、日本ハムが1979年、投手陣が名護市でトレーニングしたことがきっかけ。それ以来、米国から沖縄にキャンプ地を移す球団は増え、最大10球団になった.

 ところが、日本ハムの1軍は今年、2月1日から15日まで米国アリゾナ州ピオリアに1次キャンプ地を移した。名護市営球場が老朽化し、球団側は改修を申し入れてきたものの、市の対処が遅れたことが原因だ.

 人気球団の日本ハムは2月下旬の2次キャンプで沖縄入りしたが、練習試合やオープン戦で名護を離れていることも多い。球場の改修が完了する2020年には1次キャンプを名護に戻す予定だが、その間の経済的損失は少なくあるまい.

 また、オリックスも1993年から使用してきた宮古島を撤退し、今春から宮崎市にキャンプ移転した。最大の理由は施設面の充実ぶりだ。また、関西圏のファンのアクセスや宮崎の熱心な誘致も考慮されたという.

 サッカーでは、2月中旬に女子サッカー日本代表が中城村でキャンプ。Jリーグの人気クラブのガンバ大阪や横浜F・マリノスなどが沖縄で練習した。それにもかかわらず、見学に来る人は少なかった.

 受け入れる県や自治体側としては、来場者がキャンプを楽しみ、さらには、経済効果を生むような仕掛けづくりをするのが急務だ(T)