普天間返還で違い浮き彫り 宜野湾市長選で討論会


夢を描ける跡地利用を-佐喜真氏  
翁長知事と力を合わせて-志村氏

 来年1月24日投開票の沖縄県宜野湾市長選を前に、宜野湾青年会議所は26日、現職で再選を目指す佐喜真淳氏(51)=自民、公明推薦=と新人の元県職員、志村恵一郎氏(63)を招いた公開討論会を同市内で開いた。市内中心に位置する普天間飛行場の返還をめぐって、現実的で着実な返還を目指す佐喜真氏と無条件の閉鎖・撤去を求める志村氏との違いが浮き彫りになった。

公開討論会で握手を交わす佐喜真淳氏(左)と志村恵一郎氏=26日、沖縄県宜野湾市

 志村氏は「翁長知事と力を合わせて普天間飛行場の5年以内の運用停止を目指し、辺野古(名護市)には新基地を造らせない」と述べた上で、「移設を断念させ、返還を求めるのが早いとは思わないか」と問いかけた。

 これに対し佐喜真氏は「政府と粘り強い交渉をし、一日も早い閉鎖を求める」と述べた。返還後の跡地利用については国際医療拠点やディズニーリゾートを誘致することで、「真っ白なキャンバスに絵の具で描くように、飛行場跡地に夢を描く後押しをしたい」と力強く訴えた。

 最も議論がヒートアップしたのは、子育て支援策の予算を話し合う場面。佐喜真氏は就任以来、小学校の給食費の半額補助、小学校入学までの医療費の完全無料化を実現させ、来年度からはこれが小学校卒業までに拡大されることが決まっている。これに対し、志村氏は中学校までの給食と医療費を中学校卒業まで無料にすることを公約に掲げている。

 これについて、佐喜真氏は「無料化するには約7億円の予算が必要になる。財源はどうするか」と問い詰めると、志村氏は「行財政改革を行い、税収を上げる」と述べた。具体的な財源の裏づけを求められ窮地に立たされた志村氏が「やる気があればできる」と言うと、会場から失笑が起きた。

 約1時間半の討論の間、佐喜真氏は一度も原稿を読まず自分の言葉で力強く訴えたのに対し、志村氏は「翁長知事と力を合わせて」というフレーズを繰り返し、終始、下を向いて原稿を読み上げていたのが印象的だった。21歳の男子学生は、「佐喜真市長は現実的な対応をしてしっかり市民に向き合う印象だが、志村さんは知事に頼っているようで主体性が感じられない」と話した。