沖縄の「誇り」訴える女性


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 東京都武蔵野市議会で、政府に対し「辺野古新基地の建設を強行」しないことを求める意見書が9月に採択されたが、これに対し「前提となった認識に誤りがある」として撤回を求める請願が提出された。請願をしたのは、国連人権理事会で翁長雄志知事に反論する演説を行った名護市在住の我那覇真子さん(26)だ。

 我那覇さんは石垣市の砥板芳行議員とともに、今月10日に行われた同議会の議会運営委員会での意見陳述に臨み、意見書の問題点を次々と指摘した。

 その中で、「在日米軍の専用施設の74%が沖縄に集中している」とあるが、専用施設に限定しているため、運営の主体が米軍である厚木基地、三沢基地などが除外されている。より正しくは、23%とすべきだと強調。また「新基地建設」という文言について、実際には既にある辺野古基地の海側を拡張して移すのだから正しくは「辺野古移設」とすべきだなどと訴えた。

 質疑の中で委員の一人から、沖縄がかつて琉球処分や地上戦を経験し、今も基地問題で「ないがしろにされ、苦労している」ことについてどう思うかと聞かれると、我那覇さんは「基地があるからまたまた苛(いじ)められているという悲しい目で私たちを見なくて結構。沖縄は、日本の安全保障を担う非常に重要なことをしている県だ。皆さんがこうして平和に暮らしていられるのも、沖縄に基地があるおかげで、我々はそれを誇りに思っている」ときっぱりと述べた。その上で、沖縄でシェア98%を占める地元2紙の偏向報道によって世論がゆがめられている、と指摘した。

 審議は2時間以上続いたが、委員の側からは安全保障の観点からの議論はなく、請願については「見方の問題」などとして、反対多数で否決された。(Y)