沖縄県民は古き良き日本人


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 「沖縄では縄文文化が発展し、九州と深い関わりを持った古き良き日本人です」

 日本史が専門の玉津博克・前石垣市教育長は7日、浦添市で行われた講演会で明言した。

 翁長雄志知事が9月、スイス・ジュネーブで開かれた人権理事会で沖縄の「自己決定権」を主張し、沖縄県民が原住民であるかのような印象を世界に与え、独立論を加速させる原因を作ったことに危機感を抱いた沖縄対策本部(仲村覚代表)が講演会を主催した。

 玉津氏は、石垣島には縄文文化の遺跡が数多くあり、宮古・八重山地方の人々は中世の時代、北九州の人々と深い関わりを持ったことで、「古き良き日本人としての実質を備えるようになった」と説明。実質とは、言語、古謡、神話、信仰、農業・土木・鍛冶の技術、政治力を意味している。

 DNAを見てみると、沖縄本島は縄文系、宮古・八重山地域は弥生系が多いのが特徴だ。

 また、沖縄で話される言葉(ウチナーグチ)の多くは長崎、鹿児島など九州と共通するものが多いという。中でも、長崎の五島列島と沖縄は「ン」で始まる言葉が多く、アクセントがないという独特の共通点がある。その上で、「日本語習得は技術習得のための結果である」という仮説を紹介した。

 これらの要素が重なり、「琉球王国を築き上げる沖縄社会の原動力となった」と指摘。さらには、琉球処分(廃藩置県に相当)後の明治以降から現代に至る「沖縄県民の日本国家を支える力となっている」と強調した。

 玉津氏は、翁長雄志知事を支える革新勢力が頻繁に使う「沖縄人」という言葉は適切ではないと不快感を示した上で、沖縄県民は「文化的にも民族的にも日本人」と主張した。(T)