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「礼」の心を忘れた成人式


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 成人の日の前日の11日、沖縄では本島北部の名護市の山肌に「礼」という大きな文字が浮かんだ。名護市立東江中学校を卒業した新成人による、毎年恒例となる120個の電球を使った光文字で、今年は20回目。人間で言えば成人を迎えたため、今回で見納めという。

 その一方で、「荒れる成人式」として知られている沖縄県。今年も一部の新成人たちが県内各地で大騒ぎした。育て上げてくれた両親、学校、社会に対する礼の心を台無しにする行為だ。

 那覇市の国際通りや沖縄市中心部の胡屋十字路、北谷町美浜の繁華街などでの騒動の様子がネット上に投稿され、注目を集めた。これを見ると、派手な改造車や2人乗りバイクがスクランブル交差点を信号無視してぐるぐると回り、4方向の車両の通行を完全に防いでいた。

 定員外乗車、シートベルト着用義務違反、横断歩行者妨害、不正改造などなど。数多くの道路交通法及び道路運送車両法違反を犯している。

 宜野湾市では、ヘルメット無着用で運転するバイクが警察から逃げ回る姿も目にした。「人生でたった一度の成人式だから好きにさせておけばいい」という意見もあるが、一歩間違えば大惨事を招きかねない。この日、大きな交通事故がなかったことは不幸中の幸いだ。

 新成人の暴走は毎年の出来事だ。こうなると、分かっていながらなかなか現場に現れない警察の対応の遅さが気になった。さらに、多くの大人たちが大騒ぎの様子を傍観していて、注意する人がいないのも残念だ。「子供は大人の背中を見て育つ」との言葉があるように、無責任な行動を許してしまった大人にも責任があろう。(T)