反基地運動に住民いら立ち


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 米軍普天間飛行場(宜野湾市)のキャンプ・シュワブ(名護市辺野古)への移設に向けた作業がいよいよ本格的になった。

 防衛省は14日朝、辺野古沖に立ち入り禁止区域となるブイ(浮標)を設置する作業を始めた。14、15の両日でブイとフロート(浮具)を設置。17日には掘削作業用の台船が置かれ、掘削作業の準備は整った。

 これに対し、移設反対派がボートやカヌーで作業現場への接近を繰り返している。また、キャンプ・シュワブのゲート前には県内外から集まった反基地団体が抗議活動を行っている。

 シュワブのゲート前では、7月下旬に突起のある鉄板が敷かれた際の反対派の抵抗も激しかった。この鉄板は三角形のギザギザが付いた泥落としのための鉄板で、基地内の作業を安全にするためのものだ。ところが琉球新報は「殺人鉄板」と社説で糾弾した。

 反対派は「抗議活動の排除だ」「日中は鉄板の上は50度以上になる」「転倒すれば死んでしまう」などと訴えているが、辺野古移設に強く反対する糸数慶子参院議員(無所属)が鉄板の上を歩く姿が目撃されている。シュワブのゲート前の周辺には民家はなく、ジョギングしている軍人軍属がたまに通りかかるぐらいだ。

 キャンプ・シュワブとキャンプ・ハンセン(金武町〈きんちょう〉)を結ぶ幹線道路は米軍車両がよく利用する。通過点となる宜野座村の住民によると、時折、米軍車両の前を反対派の車両がのろのろ運転をして妨害をするという。

 こうした反基地活動、妨害活動をするほとんどが名護市外から集まった活動家だ。「無意味な反対をいつまでするのか」と地元住民はいら立ちを隠せない様子だ。(T)