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かりゆし、全国に広がるか


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 梅雨がない北海道を除いて日本全国が梅雨入りした。沖縄県が梅雨の真っただ中の6月3日、最も暑い観測地点の上位10位がすべて北海道という驚くようなニュースが飛び込んできた。その日の那覇の最高気温は29度だった。猛暑が全国を襲うようになり、沖縄のかりゆしウエアがにわかに注目を浴びている。

 安倍晋三内閣の閣僚が3日、かりゆしウエアを着用して閣議に参加した。かりゆしウエアは、アロハシャツをイメージさせる夏服上着で、沖縄県で縫製され、沖縄らしさを表現したものと定義される。「かりゆし」とは、沖縄の方言で「縁起のいいこと」とか「めでたい」という意味を表す。2000年の沖縄サミットで各国首脳がかりゆしウエアを着用して話題になった。

 2007年に始まったクールビズをきっかけに、かりゆしウエアは沖縄以外でも夏場は正装とみなされるようになった。開襟シャツがほとんどだが、ボタンダウン、長袖も流通するようになった。仲井真弘多知事は冬場でももっぱらかりゆしウエアを着用している。

 かりゆしウエアについては賛否両論ある。「パジャマに見える」「世界のスタンダードと懸け離れている」「種類が少なく、他人とかぶるのが嫌」という否定的な意見をよく耳にする。4日の参議院本会議場では、石井みどり厚生労働委員長(自民)がかりゆしウエアを着用して審査報告をしたところ、民主党議員から正装ではないとクレームが付いたという。

 一方、「沖縄らしい」「産業振興になる」「涼しくて着心地がいい」という肯定的な意見がある。近い将来、北海道でもかりゆしウエアを普及させるチャンスは十分にありそうだ。(T)