沖縄県民に広がる反「反基地」感情


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の野嵩(のだけ)ゲートで1年半ほど続いた、基地反対派が基地フェンスを赤いテープやリボン、横断幕で覆い、基地容認派や清掃ボランティアらが清掃し、翌週には再び汚されるといういたちごっこが今年4月、ついに終焉(しゅうえん)を迎えた。

 県警がようやく重い腰を上げ「他人の工作物を汚したものを処罰の対象にする」と警告したからだ。

 普天間飛行場のメーンゲートである大山ゲートでは、反基地活動家らが出勤する米兵に罵声を浴びせるのに対し、これを見かねた地元住民らが、「よき隣人」である米軍人・軍属に笑顔で朝のあいさつ運動を展開している。

 こうした中、「ヘイトスピーチ」をテーマにしたシンポジウムが18日、那覇市で行われ、基地反対派と地元住民らとの対立が話題になった。

 シンポジウムでは、沖縄タイムスの記者が基地フェンスを汚す行為を「非暴力的で合法的な米軍への抗議」と弁護、基地反対派に対する基地容認派の抗議を「ヘイトスピーチ」であり、米軍や警察と連携した弾圧であるとの思い込みで話した。登壇した反対派弁護士も、「ヘイトスピーチは社会的弱者には当てはまらない」と一方的な主張を展開した。

 これに対し、地元住民は「反対運動の罵声はオスプレイよりもうるさい」と住民からの苦情が絶えないなどと反論した。

 「反基地」運動に対する反対感情は、在京新聞も無視できなくなってきた。東京新聞が20日、「反・反基地という憎悪」と見出しを付けた特集記事を掲載したほか、これより前に朝日新聞も「反『基地反対』」をテーマに異例の長文記事を載せた。(T)