「龍柱」建設に那覇市民が危機感


 「止むに止まれぬ大和魂!!」と封書の裏面に書かれた書簡が先日、届いた。昨年末に那覇市で設立された市民の会「沖縄県を中国の侵略から守る会」会長の今年八十数歳になる金城テル女史からのものだった。

 封書の中には、「国民の血税が中国シンボルの建設費に!?」の見出しの付いた、那覇市の海の玄関口にあたるクルーズ船バースに近い若狭緑地に建設予定の高さ15㍍、幅3㍍の巨大な「龍柱」に、県民として危機感を覚えるという内容のチラシとその説明文の2枚が入っていた。

 「龍は歴代の中国皇帝のシンボルなのです。中国人は、龍の柱が他国に建っているのを見れば、その地が中国皇帝、今なら中国共産党に服従していますと宣言しているように感じてしまうのです。中国が沖縄を奪い取ろうとしている今、この愚行は北京に利用される恐れすらあると言えます」

 チラシにはこう書いて「龍柱」建設への懸念を示すとともに、「費やされる税金は、実に2億5400万円に上り、しかも、材料には中国産花崗岩、製作も中国に委ねて計1億6600万円が海を渡る」と一括交付金で建設されることに疑念を抱いている。

 市民の中から「地域に説明会を開かずに計画を進めるのはおかしい」との声が上がっており、那覇市に抗議を申し立てる人が増えているという。「『止むに止まれぬ大和魂』の手紙読んだ?自民党本部は何をしているのかね」。ある読者から怒りにも似た電話がかかってきた。

 「龍柱」建設の内容は本紙でも何度か取り上げた。市民の中に、中国への危機感が少しずつ広がっているようだ。

(H)