「変革」実現へ決起促す―オバマ氏が指名受諾演説
「弱者救済」の姿勢鮮明に/外交は対話重視
米民主党大会

8月28日、米民主党のオバマ上院議員はデンバーで指名受諾演説を行い、ブッシュ大統領が政権についていた過去8年間に低迷した経済を立ち直らせると約束(2008年 ロイター) [拡大]
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【デンバー(米コロラド州)28日早川俊行】米民主党の全国党大会で大統領候補に正式指名されたバラク・オバマ上院議員(47)は28日夜(日本時間29日朝)、コロラド州デンバーの屋外フットボール場で指名受諾演説を行った。オバマ氏は「8年間で十分」とブッシュ政権の失政を厳しく批判した上で、「われわれが米国を変革する時だ」と強調。共和党の大統領候補に指名されるジョン・マケイン上院議員(71)との対決になる11月の本選に向け、詰め掛けた8万4000人の聴衆に決起を促した。
オバマ氏は演説で、「変革が何を意味するのか詳しく説明させてほしい」と述べ、内外政策の基本指針を明らかにした。この中で、改めて浮き彫りになったのは、オバマ氏が労働者や貧困層、マイノリティーなど社会的弱者の救済を重視していることだ。
オバマ氏は労働者家庭や中小企業を優遇する税制改正を実施することなどを公約。特に「経済の強さを測る指標は、億万長者の数やフォーチュン500社の収益ではなく、チップに頼って暮らすウエイトレスが病気の子どもの看病のために職を失うことなく休みを取れるかどうかだ」という一言は、オバマ氏の弱者救済の強い信念を端的に表すものだ。
また、同性愛者に対しても「同性婚問題では相違があるが、ゲイやレズビアンも差別なく生活する権利があるという点では一致できる」と述べ、擁護姿勢を前面に出した。
一方、外交面では、「責任を持ってイラク戦争を終わらせる」と宣言。核開発を進めるイランやグルジアに侵攻したロシアに対しては、「タフで率直な外交」を展開する意向を表明した。保守派から批判されている敵対国首脳との無条件対
話構想については言及しなかったが、軍事力の行使は極力控え、対話による解決を目指すのが、「オバマ外交」の基本姿勢のようだ。
エネルギー政策では、10年以内に中東の石油依存から脱却するとの目標を掲げた。
米主要政党初の黒人候補として行った歴史的な受諾演説は、支持率の下がり始めたオバマ氏に一定の勢いを取り戻させるとみられる。ただ、同氏に対する過度の注目が有権者の間に「オバマ疲れ」を生んでいるのは否定できず、どの程度の浮揚効果をもたらすかは不透明だ。
4日間の日程で開催された民主党全国大会は、指名受諾演説で閉幕。オバマ氏は今後、副大統領候補に指名されたジョゼフ・バイデン上院議員(65)とともに、8年ぶりのホワイトハウス奪回へ選挙運動を加速させる。
2008/08/29 13:03