ハタミ前大統領、国民投票を呼び掛ける―イラン
【カイロ21日鈴木眞吉】イランのハタミ前大統領は20日、イラン当局に対し、6月12日実施の大統領選挙をめぐる混乱を収拾するため、現政権の正当性を問う国民投票の実施を呼び掛けた。
国営イラン通信(IRNA)によると、ハタミ氏は、「体制の公的な信用がダメージを受けている」ことに懸念を表明、信用回復のための唯一の方策が、国民投票の実施にある、との認識を示したもの。
ハタミ氏は、ラフサンジャニ元大統領によって呼び掛けられた改革派と保守派のコンセンサスは、この危機を解決するための「最小限のもの」だ、と指摘、「国民投票」こそ、公的な信用を回復する本質的な解決策だ、と強調した。
同氏は声明の中で更に、「数百万のイラン国民が選挙過程に疑念を抱いている」とも訴えた。
イラン憲法では最高指導者のみが国民投票実施の権限を有しており、ハメネイ最高指導者の今後の発言が注目される。
だだ、ハメネイ師は同日、大統領選挙の不正を糾弾し、再選挙の実施を求め続けているムサビ元首相やカルビ元国会議長らに対し、「テヘランの敵(米英など外国勢力を指す)を助けることをしないように」と警告しており、国民投票を前向きに検討するかどうかは疑問。
最高指導者の選出や罷免の権限を持つ専門家会議の議長で、国会と護憲評議会の意見調停などに当たる最高評議会の議長でもあるラフサンジャニ元大統領は17日、テヘラン大学での金曜礼拝で、「多くの国民が選挙結果に疑念を抱いている」と明言、「何らかの策が講じられるべきだ」として、アハマディネジャド現政権に対し、信用回復の措置を講じるよう促している。同礼拝には、ムサビ氏も出席、それを知った支持者ら数千人が大学の門前に終結、「アハマディネジャドは辞めろ」などの気勢を上げている。
一方、CNNがイランのアフタブ通信からの報道として報じたところによると、カルビ氏は19日、支持者を前に演説し、政権側が抗議行動に対する暴力的な弾圧を否定しているのは「浅はかで明白な嘘だ」と糾弾した。
2009/7/21 20:04