猛攻のマケイン氏、余裕のオバマ氏
米大統領選最終テレビ討論会
税制・中絶問題などで舌戦
【ニューヨーク15日内藤毅】米大統領選の共和・民主党両候補による最終テレビ討論会が15日夜(日本時間16日午前)、ニューヨーク州ヘンプステッドのホフストラ大で行われた。金融危機をきっかけに支持率を伸ばす民主党候補のオバマ上院議員(47)に対し、背水の陣を強いられた共和党のマケイン上院議員(72)は、税制措置や妊娠中絶に関する主張の違いなどで果敢に攻撃。一方のオバマ氏は、冷静に対応し、自身が国民の味方である事をアピールした。
この日の討論会は、経済・内政が主要なテーマで、CBSテレビのボブ・シーファー氏が司会を務めた。シーファー氏は、テーマ以外から「相手候補に対する熾烈なネガティブ・キャンペーンが繰り広げられているが、これをどう思っているか」など激論を誘う質問を準備。こうした質問を受けて、両候補がお互いを強く非難しあう展開も数回見られた。
討論会は金融危機に関する質問で始まったが、「大統領として政府予算を削るならば、どのプロジェクトを選ぶか」との質問に関連し、オバマ氏は、ブッシュ財政の失策を批判。「(マケイン氏は)予算案の5分の4に賛成した」と経済政策に対するマケイン氏への不見識をあげつらう常套手段に出た。これに対し、マケイン氏は、「私はブッシュ大統領ではない」と反論し、「もし、あなたがブッシュ氏と戦いたいのであれば、4年前に立候補すべきだった」と言い切った。
この答弁を境に、マケイン氏の攻撃はエスカレート。オバマ氏に対し、過激派組織の指導者だったイリノイ大学のウィリアム・エアーズ教授や、有権者登録で問題を起こした「即時改革のためのコミュニティー組織協会」(ACORN)の名を挙げ、その関係をはっきりさせるよう要求。シーファー氏もあえて、妊娠中絶問題など、お互いがぶつかり合うような質問を繰り返し、マケイン氏の「怒り」を煽った。
しかし、オバマ氏は、「中傷よりも政策論争をすべき」と主張。マケイン氏の批判に対しても、時折笑顔で答える余裕を見せた。また、マケイン氏にしても、オバマ氏への疑惑を訴えたまではいいが、言いっ放しで、さらに追及するところまで行かずじまい。中絶問題に関する質問でも、オバマ氏のリベラルな政治姿勢を明確にする機会であったにもかかわらず、「誰も、積極的な中絶推進論者ではない。…中絶を行わないような環境を作るべきだ」といなされてしまった。
討論会後の緊急世論調査では、CBSテレビが53%対22%でオバマ氏勝利し、CNNでも58%対31%でオバマ氏が討論会を制したと回答。CNNは、回答者の多くが民主党支持者だったことを理由に挙げているが、マケイン氏の踏ん張りが徒労に終わった感を与えている。
一方、政治分析紙ポリティコが行った調査では、オバマ氏勝利もその差は僅差。マケイン氏の猛攻を評価する有権者も少なくなかったと言う。
2008/10/16 21:03