マケイン上院議員、党指名獲得―共和党予備選
一足先に、大統領選本番準備へ
【ニューヨーク5日内藤毅】4日の勝利で過半数の代議員を獲得し、大統領候補として共和党の指名を手にしたマケイン上院議員。つばぜり合いが続く民主党のクリントン・オバマ両候補を尻目に、一足先に本選への準備に入った同氏だが、今後、国民にどう自身とその考えをアピールしていくかが課題となっている。
マケイン氏は昨年夏、資金不足や選対幹部の解任などで、撤退危機に陥った。それ以降、無償の首席アドバイザー5人を中心に、マケイン選対はそれこそ、ぎりぎりの戦いを余儀なくされてきた。これは、共和党全体の方向に従わない「一匹狼」のやり方が災いし、党内外の保守派層からの選挙資金が思うように集まらなかったためだ。
今も、マケイン嫌いの空気は、共和党内外に残っている。各調査でも、同議員への支持率は50%台後半。今回の投票結果を見ても、オハイオやテキサスなど、対立候補のハッカビー氏を支持した有権者は少なくなかった。今後、マケイン氏が真っ先に取り組まなければならないのは、党内外の保守層を一つにまとめあげることだ。
ただ、マケイン氏が党指名を確実にした時期、吹き荒れた極端な「マケイン・アレルギー」は姿を潜めている。今は、不承不承ながらも、同氏の党指名を受け入れる方向に傾きつつある。これは、先月下旬、ニューヨークタイムズによるマケイン氏の不倫疑惑報道がきっかけで保守派陣営全体がマケイン擁護へ回ったことも関連している。
さらに、マケイン氏が向かい合わなければならないのは、「国民へのアピールをどうするか」と言うことだ。同氏は71歳。史上最高齢の大統領候補であり、身長も高くない。演説は別として、討論会や議会で発言する際は、穏やかな口調で声も大きくない。身振り手振りで自身のカリスマ性を印象付けるオバマ氏やクリントン氏と比べると見劣りする。
民間の調査機関ラスムッセンが最近、オバマ上院議員の地元で行った世論調査によると、外交やイラク問題、安全保障のみならず、税制などの経済問題に関しても、オバマ氏よりもマケイン氏の方が、「信頼できる」との回答が上回った。しかし、大統領としてはオバマ氏を選ぶ市民がほとんど。「実績」よりも「希望」を選んだのだ。
もとより、今回の選挙戦では、共和党員・支持者層の士気はかなり低い。史上初の黒人もしくは女性大統領の誕生に期待を寄せる民主党支持層と比較すると、その差は歴然だ。共和党の予備選では大きな支持層となった中間層も、本選になればオバマ氏、もしくはクリントン氏に流れる可能性は大きい。
主要メディアでの扱いも同様だ。新聞やテレビなどでは、注目度が高い民主党の2候補を中心とした紙面・番組作りをするところがほとんど。逆に、マケイン氏の扱いは「サイド」的なものが多い。今回の「ミニチューズデー」でも、CNNやFOX、MSNBCなどのニュースケーブル局でのマケイン氏に関する報道は、午後8時台でほぼ終了している。
この日、FOXニュースに出演したブッシュ大統領の顧問だったカール・ローブ氏はこの点を指摘。「マケイン氏は今後、自身がどのような人物であるのか、時に応じて、国民にアピールすべき」と述べ、ベトナム戦争の英雄だけではなく、優れた家庭人であるエピソードを紹介していた。
2008/3/5 21:16