クリントン氏が大票田で辛勝―民主党予備選
民主党指名争い、党大会まで継続の見通し
【ワシントン5日久保田秀明】米大統領選民主党予備選が4日、テキサス、オハイオ、バーモント、ロードアイランドの四州で実施されたが、9連勝して勢いの乗るバラク・オバマ上院議員に対して瀬戸際に追い詰められていたヒラリー・クリントン上院議員が粘り強さを見せ、テキサス州、オハイオ州の大票田で勝利を収めた。とくにテキサス州は大接戦となり、51%対48%でクリントン氏に軍配が上がった。他の州はバーモント州はオバマ氏、ロードアイランド州はクリントン氏がそれぞれ制した。
クリントン陣営は3州勝利で息を吹き返し、両候補の指名争いの決着は4月22日のペンシルバニア州予備選まで持ち越されることになりそうだ。クリントン氏はオハイオ州コロンバスで勝利宣言し、「われわれは始めたばかりだ」と述べた。オバマ氏はテキサス州サンアントニオで、代議員数ではリードを保っていることを強調し、「どういう結果になろうとも、われわれはほぼ同じリードを維持しており、指名獲得に向けて進んでいる」と語った。
クリントン氏をテキサス、オハイオ両州をオバマ氏の勢いを阻止する「防火壁」と見て、瀬戸際の戦いを展開。ファーストレディーとして世界80カ国以上を訪問したなどの経験をもとに、外交、安全保障面での経験を強調し、オバマ氏の経験不足を積極的に攻撃するキャンペーンを進めた。テキサス、オハイオ両州では有権者の経済問題最重視の傾向が顕著で、経済再建の具体的政策を強調したクリントン氏の訴えが奏功したもよう。テキサス州では投票者の3割を占めるヒスパニック系が同氏を支持したことが勝因につながった。
投票日直前にオバマ氏の長年の友人で大物政治献金者のアントイン・レズコ氏が詐欺、恐喝などの不正容疑で告発された。さらにオバマ氏が一方で北米自由貿易協定(NAFTA)批判をしながら、裏でカナダ政府にNAFTA批判は政治的レトリックにすぎないと伝えていたという疑惑が表面化。オバマ氏の勢いを削ぐ要因になった。クリントン氏の3州での勝利により、スーパーチューズデー後のオバマ氏9連勝にストップがかかった形だ。だが、獲得代議員数では依然としてオバマ氏がリードしており、指名争いではオバマ氏が優位にある。
ビル・クリントン前大統領は、クリントン氏がテキサス、オハイオ両州で勝てなければ指名獲得は無理との発言をしていたが、同氏が両州を制したことで、民主党指名争いはさらに長期化する見通しとなっている。共和党では、4日の選挙でジョン・マケイン上院議員が4州で全勝して指名獲得を確定し、共和党内の結束が強まりつつあるなか、民主党内では、指名争い長期化が民主党内結束、本選挙での共和党との戦いに及ぼすマイナス効果を懸念する声が強い。次の山場は、4月22日のペンシルバニア州などでの予備選だが、その時までに候補者を1人に絞る圧力が民主党内でも強まることになろう。
2008/3/5 21:13