東レが今期営業益予想を8%下方修正、中国向け樹脂の需要減などで
【東京 7日 ロイター】 東レ<3402.T>は7日、2012年3月期の連結営業利益予想を1200億円から1100億円(前年比9.9%増)に引き下げると発表した。
前回予想に比べ8%の下方修正。中国向けの家電用樹脂の需要が減少したほか、パネルメーカーの生産調整を受け薄型テレビ用フィルムなどの出荷が低迷しているため。ただ、今期営業利益は修正後でも過去最高益を更新する見通し。
内田章常務は会見で「今後、国内では東日本大震災からの復興需要が期待されるが、海外では欧州債務問題の深刻化と金融不安が、欧州経済だけでなく世界経済の下振れをもたらす可能性があるなど、先行きの不透明感が強まっている」と述べ、経済情勢や足元の業績を踏まえ、予想修正を決めたと説明した。今期の売上高予想は1兆6700億円から1兆6100億円(同4.6%増)に、当期利益予想は740億円から630億円(同8.8%増)にそれぞれ引き下げた。1月以降の想定為替レートは1ドル=77円。
主力の繊維事業は機能性インナーウェア用途などが堅調で収益も計画通り推移しているが、「中国の需要低迷の影響で、マレーシアの樹脂子会社や中国の樹脂コンパウンド会社の苦戦が予想されるほか、フラットパネルの1─3月期の回復が予想より遅れ、関連材料が弱含みで推移する」(内田常務)見通しで、プラスチック・ケミカル事業と情報通信材料・機器事業の営業利益が従来予想よりそれぞれ30億円下振れる。樹脂については「主要市場である中国で先進国向け最終製品の輸出が低迷しているうえ、内需が停滞している」(同常務)という。さらに、水処理膜事業で下期に見込んでいた一部案件が来期以降にずれ込むことなどから、環境・エンジニアリングの営業利益も従来予想を30億円下方修正した。
トムソン・ロイター・エスティメーツによる、アナリスト10人が過去90日間に出した今期の連結営業利益予測の平均値は1200億円で、会社予想はこれを8.3%下回った。
<ボーイング787の不具合の影響はなし>
11年4―12月期の連結営業利益は前年同期比27.5%増の891億円になった。通期予想に対する進ちょく率は81%。前年同期の通期実績に対する割合は69.9%だった。繊維事業やプラスチック・ケミカル事業は2桁の営業増益となったものの、薄型テレビ市場の低迷によるパネル生産調整の影響でフィルムやフィルム加工品が低調に推移。情報通信材料・機器事業は19%営業減益となった。
一方、米航空機メーカー、ボーイング<BA.N>の最新鋭中型旅客機「787」(ドリームライナー)の不具合による影響について、東レの日覚昭廣社長は決算説明会の席上、「組み立て時の問題で、設計の問題でも炭素繊維の問題でもないため、あまり気にしていない」と述べた。同社の炭素繊維複合材料事業への影響はなく、787に関しては月当たり平均生産機ベースで「年末に3.5機はいけると思う」との見通しを示した。
(ロイターニュース 大林優香;編集 宮崎亜巳)
*情報を追加して再送します。
2012/02/07 20:02
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