今週の焦点はG7通過後の主要国の経済指標、内容次第で一段の株安リスク
【東京 12日 ロイター】 9日の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)を通過したことで市場の焦点は各国の経済実態に移ると見られている。金融不安の解消にめどが立たない中で、米国だけではなく欧州や日本でも景気減速感が強まっており、振れやすい相場が続くとの見方が多い。
2月独景気期待指数(ZEW)や1月米小売売上高などの経済指標、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言、福井俊彦日銀総裁の記者会見など注目材料は目白押しで、特に指標が予想を下回った場合、株式のカラ売りが一段と強まり兼ねない状況だ。
<マクロ関係>
●15日に日銀金融政策決定会合の結果と福井総裁会見
14、15日に金融政策決定会合が開催される。G7会合の直後だけに、国際金融市場
の安定に向けて日銀として何ができるのか問われるが、現状では国内金融市場の流動性に
大きな問題はなく、景気についても、起点となる輸出、生産が現実に悪化を示しておらず、
政策金利の現状維持を決定する見通し。もっとも、先行きへの警戒感は強く、米景気の悪
化懸念の強まりとともに輸出が変調する可能性や循環メカニズムが一層弱まるリスクなど
も議論されると見られる。
●14日に10─12月期GDP、2四半期連続のプラス成長見通し
14日の10─12月期国内総生産(GDP)は、ロイターの事前調査によると、予測中央値で前期比プラス0.4%、年率プラス1.6%と2四半期連続のプラス成長が見込まれている。米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題を背景とした金融市場の動揺が続き、世界経済の不透明感が強まっている中で、予想を下回る結果となれば、景気の減速感が一段と強まる可能性がある。
<マーケット関係>
●株式市場は引き続き波乱含み、G7は短期的材料にならず
東京株式市場は引き続き波乱含みの展開となる見通しだ。新たに一番底を付ける可能性もあるとみられている。決算発表がピークを過ぎるなど売り材料は減ってくるものの、信用収縮不安が根強く買い手不在のなか、ヘッジファンドなど海外勢がぜい弱な日本株を売りたたくタイミングを虎視眈々(こしたんたん)と狙っているという。9日に東京で開かれた7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で具体的な政策は示されなかったものの、事前の期待も低かっただけに大きな失望感は出ていない。
●為替はユーロ/ドルの下げ余地見極め、欧米の経済指標・要人発言に注目 外為市場では、上値の重さが目立ってきたユーロ/ドルの行方が相場全般を左右しそうだとの見方が広がっている。景気減速感が売り手がかりとなっている英ポンドとともに下げが加速すれば、これまで売り込まれたドルの買い戻しがさらに強まる可能性がある。英独の経済指標や欧州大手金融機関の決算発表、米国の1月小売売上高、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言などが関心を集めている。
●長期金利は1.4%前半中心 景気悪化鮮明なら低下余地模索か
円債市場で、長期金利は1.4%前半を中心とした推移が予想されている。国内外の重要経済指標で世界的な景気の悪化が一段と鮮明になれば、1.4%を割り込んで低下余地を探りに行く可能性がある。もっとも、景気見通しや政策見通しについて市場参加者の見方が分かれており、方向性は定まりにくい。外部環境に影響を受けやすくなっている債券市場にとっては株価や為替の動きも波乱要因であり、乱高下の展開も見込まれる。
<企業ニュース関係>
●四半期決算開示は一段落だが、清水建設や石油資源など残る
注目企業の四半期決算発表は山を越した。残るは建設や石油などの注目企業に絞られてきた。12日に清水建設<1803.T>や鹿島<1812.T>、14日に昭和シェル石油<5002.T>、15日に石油資源開発<1662.T>が決算発表する。
●新規上場はニホンフラッシュなど3社
新規上場は3社。まずは13日にニホンフラッシュ<7820.T>が東証2部に上場。14日には東洋ドライルーブ<4976.Q>が、15日にはスーパーバリュー<3094.Q>がそれぞれジャスダックに上場する。株式マーケットが不安定な動きが、IPO市場に波及するのかどうかが注目だ。4日に上場したデジタルハーツ<3620.T>マーケットの逆風をはねのけ、初値は公開価格の2.32倍になるなど好調だった。
2008/02/12 8:40