インタビュー:受託拡大目指しアジアで営業拠点開設へ=長浜DIAM社長
【東京 31日 ロイター】 興銀第一ライフ・アセットマネジメント(DIAM)の長浜力雄社長は31日、海外で運用受託を拡大するため、香港、中国、シンガポールなどアジア各地で営業拠点を開設する考えを明らかにした。
同社長はロイターとのインタビューで「国内では勝ち組入りが確定したが、世界の運用会社の中でも勝ち組に入りたい」と述べ、商品展開についても日本だけでなくアジアの運用商品を加えることで海外におけるブランドを強化する方針を示した。
DIAMは国内の年金受託残高でトップ、投資信託残高でも6位と国内では優位だが、運用資産総額は7月末現在で11兆6381億円と、100兆円を超える資産を運用する欧米勢に比べると見劣りする。
長浜社長は「来年の社名変更を機に成長の第2ステージとして、これまでの質の向上に加え、量も拡大してフィデリティやブラックロックに並ぶようなブランドを構築したい」と述べた。同社は前日、商号を愛称と統一するため、1月1日付で社名をDIAMアセットマネジメントに変更すると発表した。
<アジアに注目>
同社長によると、今後の成長シナリオでは、国内の投資顧問事業、投信事業と並び海外事業がカギを握る。既に営業拠点を構えるロンドンとニューヨークに加え、アジアでも営業の足場を作り、年金基金や金融法人からの受託を目指す方針。具体的な時期は未定だが、自前、買収、合弁のいずれかの形で進出する予定で、インドやベトナムも視野に入れているという。
運用に関わるリサーチ拠点としては5月に香港に駐在員事務所を開設したが、「他のアジア地域でリサーチ拠点がどこまで必要かについては模索中」と述べた。
ライバルの野村アセットマネジメントもアジアでトップの運用会社になることを目指しており、既に香港とシンガポールに運用・営業拠点を構えているほか、05年にはソウル駐在員事務所、06年にはマレーシア現地法人を開設している。
<投信分野がけん引役>
DIAMは第一生命と旧日本興業銀行の資産運用会社が統合して99年10月に発足し、現在は第一生命とみずほフィナンシャルグループ(FG)<8411.T>がそれぞれ50%の株式を保有している。
同社の運用残高のうち約6割が投資顧問で、残りが投信だが、「貯蓄から投資へ」の流れが加速する中で投信市場は急拡大を続けており、収益力や成長性からみて当面は投信分野が同社の事業拡大をけん引する見通し。長浜社長によると、運用残高が20兆円に達するころには投資顧問と投信分野の比率がきっ抗する可能性もある。
伝統資産のアクティブ運用に加え、クオンツ運用、不動産投信(REIT)、オルタナティブなど既に多くの商品を提供しているが、ベトナムなどの新興国投信の取り組みは始めたばかりで、今後強化する。
同社長によると、DIAM発足時から「親会社に依存せず運用力で勝負できる会社」を目指し、親会社からの出向者には転籍により腰を据えた運用に取り組んでもらう一方、地銀など系列外の販売チャネルも積極的に開拓した。
同じみずほ系列の運用会社である第一勧業アセットマネジメントと富士投信投資顧問は7月に合併し、みずほ投信投資顧問として生まれ変わった。ほかにもみずほ系列としては新光投信がある。グループ内のさらなる再編の可能性について長浜社長は「検討したことはない」と述べた。
日本では多くの運用会社が銀行や証券など大手金融グループの傘下にあるが、日興アセットマネジメントのビル・ワイルダー社長は30日、ロイターに対し、経営の独立性を確保するため、当初計画通り2008年─09年までに上場する計画だと述べた。
同社長はフィデリティーやキャピタルなど、海外の独立系運用会社の資産残高の伸び率や利益率が金融グループ傘下の運用会社に比べ高い例を挙げ、「資産運用会社にとって独立性は重要で、特に利益相反の問題を解決するうえで証券会社や銀行から独立することは非常に重要だ」と語った。
(ロイター日本語ニュース:大林 優香)
2007/08/31 18:58