TOBは「比較的長期間」の設定を=経産省企業価値研究会
【東京 31日 ロイター】 経済産業省の私的研究会の企業価値研究会(座長:神田秀樹東大院教授)は31日の会合で、経営者による企業買収(MBO)が適正に行われるための企業の対応を盛り込んだ「MBOに関する報告書」をまとめた。
前回までの議論で、MBOのために実施するTOB期間は「30営業日を確保する」案が示されたが、同日の会合では、一律の基準を設けることは困難としてこの記を削除し、報告書では「比較的長期間設定すること」に修正された。
上場企業がMBOを実施する際にTOBを長期間確保することは、経営陣が買収者になる一方で売り手も兼ねることから、利益相反の恐れが指摘されているため。TOB期間は、法令では20―60日と定められているが、報告書の原案では、対抗買収の機会を設定するため「最低でも30営業日」を確保するよう求めていた。
ただ、同日の会合では「中小企業や大企業では事情が異なってくる」、「企業再生で買収を急ぐ案件もあるはず」などの意見が委員から出て、一律に日数を書き込むことは困難と判断し「比較的長期間を確保」との記述で落ち着いた。また、同日の会合では、報告書の位置づけについても議論の対象になり、報告書には「MBOの公正なあり方を模索するもの」と明記して、MBOを規制する趣旨でないことを明記した。
経産省は、この報告書をもとに指針案をまとめ、意見公募(パブリックコメント)の手続きをとり、9月中旬にも「MBOに関する指針」としてとりまとめる。指針の位置づけについては「企業がMBOを実施する際の常識的な基準として出すもの」(産業組織課)として、企業に義務付けする規制ではないとしている。
MBOをめぐっては、焼肉チェーン「牛角」を運営するレックスホールディングズやテーオーシー<8841.T>で、経営陣の示した買取価格をめぐって利益相反が指摘されていた。
経産省によると、企業価値研究会は今後、敵対的な買収が実際に起きた場合の企業の対応策として「有事の際の防衛策」のあり方について、9月以降に議論を始める予定。
2007/08/01 6:14