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経産省の企業価値研がMBO報告書案を公表

 【東京 18日 ロイター】 経済産業省は18日、経営者による企業買収(MBO)が適正に行われるための企業の対応を盛り込んだ「MBOに関する報告書案」を公表した。報告書案は、TOB期間は法令よりも長期の30営業日を確保して、対抗買収の機会を確保するよう求めたことが柱。今後、企業価値研究会で議論を詰めて正式な報告書としてまとめ、経産省が指針を作成する。

 報告書案を公表したのは、経産省・経済産業政策局長の私的研究会「企業価値研究会(座長:神田秀樹東大院教授)」。企業価値研究会は18日に会合を開き、報告書案を事務局案として提示して、MBOの適正実施について議論した。7月31日に次回会合を開き、詳細を詰めて、正式な報告書として経産省に提出する。

 経産省によると、上場会社が非上場化するMBOは2006年に10件、2007年も5月までに6件があった。MBOめぐっては、経営陣が買収者になる一方で売り手も兼ねるため、利益相反の可能性が指摘されている。ただ、「MBOにはほとんどルールがない」(経産省幹部)のが現実で、買い取り価格などの不透明感を払拭するために一定のルールの必要性が指摘されていた。

 この問題の対応策として、企業価値研究会の報告書案が第1に示したのは、MBOに関する株主説明の充実。業績の下方修正でMBOの買い取り価格を不当に引き下げたとの批判を避けるため、MBOを実施する時期についての説明のほか、1)取締役と投資ファンドなどの出資者の最終的な出資比率、2)取締役の役職を継続するか否か、3)MBOに関する取締役の利害関係――などの開示を求めた。

 さらに、MBOに反対して取り残された株主から買い取る場合はTOB価格と同一にして少数株主に配慮するほか、MBOの弁護士やアドバイザーを開示して、意思決定の過程を透明にすることも求めた。また、現行のTOBルールでは、買い付け期間を20―60営業日としているが、同報告書案では、MBOを実施する場合は「最低でも30営業日」を確保して、MBOの買い取り価格が割安だと判断した買収者が対抗TOBを実施する機会を設定するよう求めた。

 企業価値研究会では、報告書案に盛り込まれた対応策を法律化して義務付けるよう求める意見は出ていないため、経産省では「企業が参考になるような指針として定める」(経産省幹部)意向。正式な報告書を受けて8月中にもパブリックコメントを実施して指針を定める。  

 MBOをめぐっては、焼肉チェーン「牛角」を運営するレックスホールディングズが2006年11月に実施したMBOでは、業績の下方修正の後に行われたことから、一部株主が、公正に買い取り価格を決めるよう求め、東京地裁に対して申し立てを行っている。

 また、テーオーシー<8841.T>の例では、今年4月にテーオーシー経営陣が1株800円でMBOを実施すると発表したが、ダヴィンチ・アドバイザーズ<4314.OJ>が買い取り価格に不満を示して1株1100円で対抗TOBを仕掛けたことから、MBOは失敗に終わっている。現在、ダヴィンチはテーオーシーのTOB価格を1308円に引き上げ、7月23日を期限として50.001%の株式の取得を目指している。

2007/07/19 6:33

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