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金利が上値抑える米株、景気の強さに確信持ち切れず


 6月21日、世界的な金利動向に翻弄されつつ、米株は高値圏で値動きの大きな展開が続く。写真は4月、ニューヨーク証券取引所の外観(2007年 ロイター) [拡大]
 【東京 21日 ロイター】 世界的な金利の動向に翻弄(ほんろう)される形で、米国株は高値圏で値動きの大きな展開が続いている。5%台の米長期金利に見合うだけの景気の強さを確認しきれず、確証をつかむまでは金利上昇に株価の上値が抑えられる展開が続きそうだ。目先、米国株の上昇モメンタムが落ちる可能性がある。

 一方、日本株は出遅れていた分、米国株に比べると強さが目立ち、21日には終値ベースで年初来高値を更新した。焦点はやはり米国景気に変わりはなく、米国を中心とする海外景気に依存したセクターが主導する展開になっている。ただ、需給面では、日本株特化型のヘッジファンドのパフォーマンス悪化が注目を集めており、先行きの不安要因として警戒されている。

 <長期金利に神経質な米国株、上値抑える展開に>

 米国株が高値圏で振幅を続けている。米ダウ工業株30種は6月1日にザラ場ベースで過去最高値となる1万3692.00ドルをつけて以来、米長期金利の急上昇を受けて調整に入り、金利上昇が一服した今になっても、まだ最高値を更新しきれずにいる。

 りそな銀行総合資金部投資運用室チーフストラテジスト、下出衛氏は「5%台の米長期金利に見合うだけのファンダメンタルズの強さについて確認しきれないため、株式市場のセンチメントが慎重になっている」と指摘する。

 株式市場では、年後半からの世界景気の加速をにらんで世界的に株価の上昇トレンドが続くというメーンシナリオを維持している。その確証をつかもうと、株式市場関係者は米景気の強さを示す指標を心待ちにしていた。

 しかし、6月の初めに相次いで発表された5月雇用統計や5月ISM製造業景気指数などに大きく反応したのは米国株ではなく米債のほうだった。米長期金利の急騰を受けて米国株は調整を余儀なくされ、下値からは脱したものの長期金利をにらみながら神経質なもみあいが続いている。

 市場では「米長期金利の上昇は、FFレート(5.25%)前後まで」(大手証券)との声が多く、景気を阻害することはないと予想されているが「予想を裏付けるエビデンスがない」(りそな銀、下出氏)。

 「金利が上昇圧力を強めるたびに株価が下がる展開になりそうだ。株価は目先もみあう可能性がある」(準大手証券)との声が出ている。米国株は上昇モメンタムを落としながら、金利水準に見合う景気の強さを示す材料を待つことになりそうで、7月から活発化する米決算発表などが注目されている。

 <米景気強ければ、金利上昇でも日本株はアウトパフォーム>

 もみあう米国株に対して、市場ではこのところの日経平均の強さを指摘する声が多い。6月だけでみれば、1日の過去最高値を抜けない米国株に対して、日経平均は6月初めの高値(6日の1万8073円05銭)をすでに更新。21日にはザラ場ベースでは年初来高値に届かなかったものの、終値ベースで1万8240円30銭に上昇、年初来高値を更新して約7年ぶりの水準を回復した。「世界的にみた日本株の出遅れ感から、海外勢の日本株買いが続いている」(大手証券)ためだ。

 市場では、金利感応度の高い米国株に比べ、日本株は米国を中心とする世界景気に対する感応度が高いと位置づけられており「景気の指標としての米金利の上昇局面では、日本株がアウトパフォームする。物色されるのは、世界景気に連動するセクターで、教科書通りの展開になっている」(りそな銀、下出氏)という。「2月26日につけた日経平均のザラ場ベースの年初来高値1万8300円39銭の更新も時間の問題だ」(大手証券)とみる声が多い。

 ただ下出氏は「米国株が明確に下げトレンドに入らなければ日本株の出遅れ修正は続くが、米金利のレンジは切り上がっており、これに見合う米景気の強さが確認できない状態が長引けば、日本株もいずれ上昇はストップするだろう」と語る。

 <日本株特化型ヘッジファンド、パフォーマンスが悪化>

 6月は海外投資家が半期末決算を迎える。ヘッジファンドに資金を振り向けている投資家などが、パフォーマンス・チェックを強める季節だ。この時期を迎えて、市場では日本株特化型のヘッジファンドのパフォーマンスの悪さに注目が集まっている。

 草野グローバルフロンティア代表取締役、草野豊己氏によると、日本株特化型のヘッジファンドには中小型株ロング/大型株ショートなどのロング/ショート型のファンドが多い。イベント・ドリブン型のファンドはM&A案件の少ない日本株に消極的なためだ。このタイプのファンドの5月末までの平均パフォーマンスを運用地域別に比較すると、日本株特化型のパフォーマンスの悪さが際立っているという。

 具体的には、日本以外のアジア株で運用するファンドが11.83%のパフォーマンスを上げてトップを走り、これに新興市場運用、グローバル運用が続く。米国で運用するファンドは7.75%、欧州も7.16%を上げている。これに対して、日本株で運用するファンドはマイナス0.54%と、唯一のマイナス。ファンドによってはもっとマイナス幅が大きいファンドもあるとみられ、投資家からの解約やファンドの解散などのうわさなども出ているという。

 「手じまい売りへの警戒も含めて、日本に資金を振り向ける投機マネーが膨らみにくくなっている。長期投資家などはカントリー・アロケーションの維持で買ってはくるだろうが、目先、ヘッジファンド経由の資金流入は鈍りそうだ」(草野グローバルフロンティア、草野氏)という。

2007/06/21 19:56

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