理想の改装と規制
友人のアランが、パリ西郊外のイシー・レ・ムリノーの丘の家を買った。イシー・レ・ムリノーの丘といえば、パリ最古のサン・ジェルマン・デプレ教会が所有する葡萄畑があることでも有名だ。
アランの買った家は、約100年前の家で、元の持ち主は外国にいて、廃屋同然の状態だったという。フランスでは、そんな古い家を安く買って改装して住む人も少なくない。
アランも早速、同じ町に住むグザヴィエという建築家に頼んで、本格的な改装をすることにした。
ところが、アランが言うには、予想外の問題が次々に発生し、最初の意気込みや期待感は弱まる一方だという。
問題の一つは窓の取り付け位置で、市の条例で、近隣の家の窓を覗ける位置に窓を新しく設置することは禁じられているというのだ。そうなると、取りつけたいところに窓を取りつけることができない。
その他にも外壁の色、瓦の色、敷地内の倉庫の新設なども、全て町の美観を管理する市の委員会の許可がいるというわけだ。
アランは「確かに町の美観を守るためには、仕方がないのだろうけど、これじゃ思うようにはできない」と嘆く。それでも設計士と喧嘩しながら、今も設計図を前に格闘中だ。

