高学歴と成功のチャンス

 フランスは高校卒業資格試験(バカロレア)の季節も終わり、年々、大学進学者は増える一方だ。日本以上の学歴社会と言われるフランスでは、誰もが学歴が将来を保障すると信じ、高学歴に向かって勉強に励んでいる。

 しかし、フランスも半世紀前は、大学を卒業するのは、ごくわずかなエリートだけだった。最近、テレビで紹介された人物は、フランス全土に196の巨大ホームセンター「ブリコラマ」を展開するブールリエ氏で、彼は小学校の卒業証書しか持っていない。だが、今では大企業経営者として、200位内に入る高額所得者だ。

 15歳から働き始め、25歳の時にパリに小さな工具店を開き、今の規模まで成長してきた。大会社になっても、毎日、店に制服を着て顔を出し、昼食は自分の部屋で簡単に済ませ、中小企業の社長のように働き続けている。社員の採用基準には、バカロレアは参考程度で、やる気の方を大切にしているという。

 無論、今の時代には、学歴がなければ、成功のチャンスは少ない。友人のブリュノは、中卒だが、保険会社の支店長をしている。しかし「今は、大卒でなければ支店長は無理だ」と言っている。それより深刻なのは、今やその学歴さえも保障にならない時代に入っていることで若者に不安が広がっている。これは世界的な現象とも言えるが。