友人の4度目の解雇

 友人のアンドレがまた、会社を解雇された。これで彼の解雇経験は4度目だ。45歳のアンドレは、一貫して外資系企業、特に米系企業の財務部門で働いてきたが、今回解雇された会社では、3年半働いていた。

 アンドレは「まあ、次の会社の目処は立っているので心配はしていないよ」と強気のふりをしているが、彼の妻からは、夜も眠れない日が増えていると聞いている。確かにフランスは日本と違い、解雇で受け取る退職金や失業保険は手厚い。3年半の勤務で、解雇にあたり、1年半分の給料を会社から受け取る。

 彼の勤めていた会社は、勤め始めた当時は米系資本だったが、昨年秋に日系大手企業に買収され、合理化が進められていた。アンドレは自分に落ち度があったとは思っていないようだが、さすがに今回は、ごく親しい友人以外には知らせていない。どこかで納得がいかないのだろう。

 リーマンショック以来、アンドレのような管理職にも不況の嵐が襲い、回復の目処が立っていない。彼の友人は数回の解雇経験の後、自分で会社を立ち上げ、なんとかやっているという。民間企業に勤めるアンドレのようなフランス人はタフだが、過去国営企業だったフランス・テレコムなどでは、解雇や降格で自殺する社員も出ている。