遺跡発掘と盗品
職員のストライキで外国から来た観光客も入館できないという事態を招いたルーブル美術館が、エジプト政府の要請に応じて、ルクソールの王家の谷から盗まれたステラ(石碑)を返還することになったそうだ。
昔からルーブル美術館や大英博物館を指して盗品博物館などと呼ぶ人も少なくない。特に古代エジプトの遺跡などは、ヨーロッパの考古学者による発掘作業で発見されたものも多く、政情不安定で経済状態も思わしくないエジプトから運び出され、学問的に整理され、最高の保存状態で維持してきたという歴史もある。
ただ、今回返還された約3000年前のエジプト第18王朝の貴族の墓の壁画の一部は、何者かが無理やりはぎ取ったものらしく、最終的にルーブル美術館が購入したのは2000年から2003年の間だそうだ。そこで疑問は、ルーブルは盗品を承知で購入した可能性が高いことだ。
サルコジ仏大統領は「われわれも、文化財の違法密売と戦っている」と言っているが、違法という言葉には微妙な響きもある。
今回のように盗品であることが明らかであれば分かりやすいが、エジプトが返還を求めている大英博物館のロゼッタ・ストーンなど、いくつもの遺産がスムーズに返還されるのか、今後を見守りたいところだ。

