寒かった夏の影響
今年の夏は涼しかった.を通り越し、寒かったといった方が妥当だろう。朝晩の冷え込みは、暖房が必要なほどで、それに追い打ちをかけるように雨も多かった。この天候不順は、さまざまな影響をもたらしている。太陽を求め、南仏に人々が集中、庶民生活ではフランスパンを代表するバゲットの値段が上がり、ワインの不作も予想されている。
太陽を求めて大移動が始まる七月、八月だが、事前に予定は決めていても、太陽の光が得られそうもないと分かれば、どこにでも行き先を変えるフランス人は少なくない。今年は大西洋岸のノルマンディー地方やブルターニュ地方は寒かったので、地中海沿いのコートダジュールやエクサンプロバンスにバカンス客が集中した。
パン屋の店主は言う。「石油が上がり、燃料費も上がったし、小麦粉の値段が急騰しているので、値上げは仕方がない」と。それでもフランス人はパンを買い控えることはしない。パン屋の売り上げが下がったという話は報告されていない。が、小麦粉はパンの材料だけに使うわけではないので、消費者には影響が出そうだ。
最も深刻なのが、ワイン業界だ。毎年の天候に大きく左右されるぶどうは今年春先からの悪天候で深刻な打撃を受けた。ボルドー地方では、カビの発生で生産量全体の20%から50%のぶどうが被害を受ける可能性があるという。二〇〇七年産ワインの質が下がれば、近年苦戦するボルドーは、さらに深刻な状況に追い込まれそうだ。

