防衛レーダー
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土田 隆さんに聞く

 「防衛レーダー」きょうで1000回

 本紙に毎水曜日の16面に掲載されている土田隆(ゆたか)さんのコラム「防衛レーダー」が、きょう5日付で一千回を迎えた。1回目の1984年の4月8日付からちょうど20年という長期コラムは、本紙でも異例だ。大きな節目に当たり、土田さんにその感想を語ってもらった。


防衛論議、分かりやすく

 あくまで通過点、「好奇心なくなるまで」

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 土田さんの連載が始まった時期は、まさに冷戦のピークに当たり、特にソ連を中心とする国際共産主義の脅威をめぐって国内外の安全保障論議が高まっていたころだ。

 土田さんは今年八十四歳。陸軍航空士官学校教官などを経て終戦。雑誌編集長から警察予備隊(自衛隊)に入り、七三年一等空佐で退官した。

 難解な軍事用語も多く、なじみの薄い防衛論議を分かりやすく解説してほしい、との本紙の求めに応じてのコラムだったが、「こんなに長く続くとは思ってもみなかった。新聞は社会の公器。それによくぞ一千回も書かせてくれた。言いたい放題、書きたい放題させてもらったと感謝したい」と、感慨深げに語る。

 当初は隔週掲載で、二年後の八六年三月十三日付から毎週掲載に。

 一回目のテーマは「北朝鮮軍事力の見方」。防衛白書が、北朝鮮の軍事費を国民総生産(GNP)比20−25%と指摘したのを、当時の社会党議員が国会質問で「根拠を示せ」と追及したのを、ウイットに富んだ解説で論破している。

 「軍事評論家の肩書は、二回目から外してもらった。私が論ずるのは軍事だけではない。政治、経済あらゆる事象をとらえ、安全保障全般を扱う。ただ、個人の恥部に触れるのは、紳士として慎まなければならない。また、匿名では書かない。物書きは正体を現して書くべきだ」というのがポリシーだ。

 舌鋒(ぜっぽう)鋭く迫るコラムは、朝日新聞、旧社会党批判が持ち味。「自衛隊在職当時、どれほど朝日の記事で自衛隊の真の姿が伝えられず歪(ゆが)められたことか。社会党もまた、ごう慢な態度で自衛隊に接し、防衛問題でいかに国費の無駄遣いをさせたか。その体質は変わっていない」と手厳しい。

 この間、二十年。今や自衛隊を取り巻く環境は国連PKO(平和維持活動)による海外派遣、そして戦地イラクへの派遣と、大きな様変わりを見せた。「隔世の感というか、国民の意識、時代の変化を感じる」

 一千回はあくまで通過点。「物書きは勉強しないといけない。自分の好奇心がなくなるまでやります」と意気軒高だ。

1千回を祝す
 杉山蕃・元統幕議長(本紙コラムニスト) 一千回の連載とは、大変な努力の積み重ねであり、心から敬意を表します。土田さんは航空自衛隊パイロットの大先輩に当たり、「鋭い意見を持っている」という評判の存在でしたが、筆者は現役時代から胸のすくような論評を拝読し、よく快哉(かいさい)を覚えたものです。特に左翼症候群と言われる、理の通らぬ社会主義的論調や大新聞の主張を独特の言い回しで、一刀両断にするところは、その真骨頂と言え、「山椒は小粒でもピリリと辛い」の表現が打ってつけのコラムですね。今後も「ご意見番」の役割を果たしていただきたい。