| 防衛レーダー | |||
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幹部自衛官と真の統率力 三月半ば以降世間を騒がせていた「違法射撃事件」も、四月二十七日、陸将、陸将補を含む幹部自衛官二十四名を処分することで一応の決着を見たが、翌二十八日付の産経「主張」欄を見ると、懲戒免職になったこの事件の主役、秀島裕展元一佐は、「部下をぐいぐい引っ張っていく統率に優れた人物と評価されていたという」とある。 それはそうであろう。四十五〜六の若さで、陸自一の精鋭部隊、第一空挺団の普通科群長に任じられ、しかも、防大出身者でありながらレンジャーの資格を持ち、武骨一方かと思えば、「夏祭り」の前夜祭にストリッパーを招いてくれる。こんな「おやじ」が、若い隊員に惚れられぬわけがない。 その上、豪放磊落(らいらく)、瑣事(さじ)に拘泥せず、幹部学校の指揮幕僚課程を優秀な成績で卒業したとか、あるいは「オレは出世などしたくない。ずっと一線部隊にいる方がいい」と、あえて受験しなかったというような“伝説”がつけば、空挺団本部の幕僚たちが、事件当日の射場の模様を普通科群の隊員に聞き回っても、「現場にいなかったからわからない」と、口をにごされるのは当然のこと。まして、自分たちの「おやじ」と空挺団長の不仲が知れわたっているにおいてをやである。 しかし、自衛隊の統率が市井無頼の徒と同じでないこともとよりだし、隊員は国と親御さん方から預かった若者であって、己の私兵でも「子分」でもない。 それに、本当に精強な部隊は、アメリカの西部劇映画に出てくるインディアンのように、戦の前夜、奇声をあげて火の周りを踊り狂うことなく、しーんと静まり返って、平常と同様、黙々と任務をこなしているはずであろう。 ところが、四月二十七日付朝日夕刊の「事件の全容」と題する記事によると、秀島元一佐は、射撃演習の数日前、群の幹部らに、当日、民間人の友人に、猟銃ばかりか自衛隊の小銃を撃たせることを伝えており、そのための弾薬約五百発を「訓練用」と偽って調達させた、とある。 もし、この記事が正しいとすると、元一佐は、産経「主張」のせっかくのお褒めにもかかわらず、「それは法律違反になります」と制止する幹部を育てられなかったという一点だけでも、統率力に問題があったと、断じざるを得ない。 しかし、「タマに撃つタマのないのが、タマにキズ」という隊員の川柳が話題にあがったのは、確か中曽根元首相が防衛庁長官の頃と記憶するが、それにしては自衛隊も、随分豊かになったものだなあ。
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