エジプト・カイロ在住
鈴木眞吉
オマーンで驚いたこと
オマーンと聞いて脳裏に浮かぶイメージは何だろうか? 日本人には、アラビア半島の東南端に位置する人口わずか二百八十五万人の国家のイメージは思い浮かばないというのが実情かもしれない。
行ってみてまずびっくりしたことは、人口約七十万人の首都マスカットの町並みが、白亜の近代的なビル群とともに白壁の真新しい住居やアパートが豊かな緑に囲まれて、ぜいたくな雰囲気を醸しだしていたことだ。マクドナルドやケンタッキーなどの米国系外食産業が進出、日本の自動車関連企業もあちこちに事務所を開設し、商店街も近代化され整備されている。貧民街のない、近代都市であることを印象付けた。
宮廷クーデターで、父親のサイド国王を追放したカブース現国王が、従来の鎖国政策から開国政策に踏み切り、石油や天然ガスの輸出で得た膨大な利益を国家の近代化につぎ込んだ結果とされる。
次にびっくりしたことは、同国の正装が白を基調としたアラビア服の上に刀剣を腰に帯びることだ。腰というよりもおなかの前の帯に刺す格好だが、中身は真剣。そのままで武器となり得るよう研ぎ澄まされている。
もう一つの驚きは、女性の姿を路上で見ることが難しいことだ。無論、空港のガイド役や商店の化粧品売り場などには、スカーフを着用した女性の姿を見かける。地方へ行く途中、子供を連れた女性を目にしたが、逃れるように物陰に隠れた姿が印象的だった。
(サンデー掲載:7月3・10日)