ロシア・モスクワ在住
中村 晃
日本車がブームの理由
現在、米国や英国では国産車よりも日本車の方に人気があり、自国の自動車産業に影響が出ている。その現象はここロシアでも見受けられる。
五月中旬、ロシア全土で日本車のロシア人オーナーが車に日の丸を張りクラクションを流しながら、政府に抗議デモを行った。その理由は、右ハンドル車に対する規制と、日本車に対する関税の引き上げが行われるという、うわさが流れたためである。実は政府閣議で規制導入は否定されたのだが、政府系テレビは、左ハンドルが主流の道路では右ハンドル車は危険と宣伝、今後の日本車規制に含みを残した。
しかし、なぜロシア人は日本車を好むのか。日本の中古車二台を妻とともに所有するウラジオストクから来たアレキサンダーさん(42)は言う。「日本車を買うため、税金がロシア車の二倍以上かかったとしても、五年使用の日本の中古車なら、一年でガタが来る国産の新車を買うよりは、日本車を買った方が魅力と将来性がある」
確かに、私の友人が購入した国産車は、一年目でドアの開け閉めがまともにできなくなってしまった。今年からトヨタがロシアに工場建設を始め、欧州車を抜き、日本車ブームに拍車がかかるとみられる。
政府は外国製品を規制する以上に、国産品の品質向上に力を注ぐよう意識転換を図るべきなのではないかと思う。
(サンデー掲載:6月19日)