米国・ニューヨーク在住
内藤 毅
「みじめ」な5月の天気
「ミゼラブル・メイ」(みじめな五月)。何かと空模様がぐずつきがちで、気温もなかなか上がらない日が続いた五月下旬、あるテレビの天気予報士は天気の概況を、そう表現した。今年の春は、暖かくなり始めるのが異様に遅かったり、木々の花粉も例年以上に発生するなど、鬱々とする要素が多かった。これに、季節の長雨が加わったわけで、確かに「ミゼラブル」だ。
五月末の「メモリアルデー」連休は、事実上の「海開き」「プール開き」となる。しかし、今年は惨たんたるものだった。ニュージャージー中部各地のビーチでは、肌寒い風が吹き、訪れる人もまばら。桟橋で釣りを楽しむ人がもっぱらだった。
しかし、楽しむべきときに楽しむのが人。友人は、少々ぐずついた天気でもかまわず、庭に炭火セットを持ち出し、バーベキューパーティーにいそしんでいる。しかし、小雨がちらつく中で、ソーセージにかぶりつくのはなかなか乙なものだが、気分そう快とまでは行かない。「夏が来るのが待ち遠しいね」。炭火の熱気で汗を流しながら、友人は言った。
さて、数日後。六月に入ってから、急に気温が上昇。今週の日曜日はかんかん照りだった。とたんに近所の家々では、エアコンの音がかしましくなり始める。「晴れの日は待ち遠しかったけど、急に暑くなるのはたまらない」。先の友人は、汗をたらたら流しながら、こう語った。
(サンデー掲載:6月12日)