ドイツ・ノイス在住
若山計雄
大型車有料化のトラブル
今年初めから、十二トン以上の大型トラックのアウトバーン(高速道路)通行料の徴収が始まった。
有料になったけれども、アウトバーンには料金所がない。全地球測位システム(GPS)と携帯電話通信網(GSM)を組み合わせたシステムを使い、正確に走行距離を算出、自動的に料金が徴収されるからだ。
システムを担当したのは、ドイツテレコムやダイムラー・クライスラーといったドイツを代表する会社から成る共同企業体。本来は二年前に導入されるはずだったが、技術上のトラブルが相次ぎ、大幅に遅れた。その結果、企業体側は膨大な違約金を支払わなければならず、政府側は計画していた税収が得られず、新たな道路建設を行う資金が不足してしまった。
技術的問題は解決され、今のところ順調に運営されているが、新たな問題が浮上している。大型トラックがアウトバーンを避けて、無料の一般道路を走ることが多くなり、いろいろと弊害が出ているのだ。
地域住民は騒音のため、窓も開けられず、ぜんそくに悩む人たちは、排ガスとほこりのため、ますます苦しんでいる。
そのため、一般道路の速度制限や市内通り抜け禁止などの対策で、アウトバーンの利用を促していくという案や、トラックの料金徴収システムを一般道路にも拡大する案が検討されている。有料化に伴うトラブルは、まだ終わっていない。
(サンデー掲載:6月12日)