エジプト・カイロ在住
鈴木眞吉
カナヅチ多いエジプト人
五月は、日本もそうだがエジプトでも気候が最高。観光客には、海や山や砂漠にも、そして古代神殿の見学にも、もってこいの季節だ。
五月は日中三〇度を超す日がザラだが、七、八月の真夏と違うのは朝夕が涼しく、風が冷たい時があり、水道水や海水の温度がやや低い。
ところで、エジプト人は泳げない人が多い。男性でもかなりの人が泳げない。女性にいたってはほぼ全員が泳げない。これは、特に女性は、イスラム教の教えから肌を人に見せることが禁じられていることの影響が大きい。女性が水着で男性の前に立つということは考えられないことで、海では男性だけが泳いでいる。
また学校で体育の授業がないこともある。理由は、女性の体操着姿がイスラム教にふさわしくないということと、学校の敷地が狭くて校庭がないとか、学校の数が少なく、一つの校舎を二つ三つの学校が共有しているため、体育や音楽に時間を割けない現実もあるという。
体育の授業がないため、体を鍛えるなどの観念がなく、筋力自体がない。バタ足をさせてみても、足を持ち上げる筋力がなく、ただ漫然と太っている。
透明度が高くて、サンゴや熱帯魚が見られる紅海や、ロマンあふれる地中海が身近にありながら、その楽しみ方を知らないエジプト人を気の毒に思うが、それ故に貴重な観光資源が保存されてきたのだろう。
(サンデー掲載:5月22日)