米国・ニューヨーク在住
内藤 毅
NY中心部の公共交通
ニューヨーク市中心部のマンハッタン島は、地下鉄と市バスが縦横に走っている。米国は車社会だから自動車なしでは生きていけないとよく言われるが、この島に住んでいる限り、不便は感じない。
私も用事があると、地下鉄と路線バスを利用する。特に、地下鉄は本数が多い上にカバーする範囲がマンハッタンのみならず、ロングアイランド方面まで広がっている。A、B路線などアルファベットを使った路線名や、ターミナル駅の複雑な構内など、戸惑うことが多いが、慣れると非常に便利だ。
一方、地上の路線バスの場合、交通渋滞に巻き込まれると、一向に進まないし、バス停で待っていても時間通りに来ることはまれに近い。しかし、マンハッタン島に限って言えば、地下鉄が走っておらず、市バスを使うしかない場所もあり、地下鉄と併用すれば「いけないところはない」(知人の弁)ということになる。
とは言うものの、市バスを利用する人は地下鉄と比べるとはるかに少ない。見ていると、目的地まで歩いていく途中で、たまたまバスが来たから乗ったという人がほとんどだ。バスの運転手も、さほど勤労意識が高くない。愛想が悪いのは別にして、運転中に携帯電話で私用を済ませている運転手もいる。ローカル度の高い路線はそのうち、統廃合されてしまうのではないか。「バス・ウオッチャー」を自任する私は気が気でない。
(サンデー掲載:5月1・8日)