ロシア・ハバロフスク
吉田碩俊
日本語学習のきっかけ
ハバロフスク市内に千人近くいると言われている日本語学習者。極東ロシアは地理的にも日本に近く、市民の視線が米国やヨーロッパよりも日本に注がれるのも当然かもしれない。彼らの動機はさまざまだ。日本を相手にしてビジネスがしたい、日本語の教師になりたい、日本の文化に関心がある、等々。
そんな中で、非常に珍しいケースをひとつ紹介しよう。名前はアクサーナさん。三十一歳のバレエ教師で、娘が一人。彼女が日本語を勉強するきっかけはこうだ。
娘が三歳になった時、私立の幼稚園にいれて、英語を習わせようと思ったところ、娘はどうしても日本語を勉強したいと反論。そこで、アクサーナさんは心理学者に相談したところ、返ってきた答えは「前世が日本人だったのでは?」だった。
日本語の家庭教師を探したところ見つからず、最後は領事館に相談した。ハバロフスク教育大学の東洋学科の日本語科の生徒に当たってみてはどうかと薦められ、日本語が少しできる学生から日本語を教えてもらうようになった。そしてアクサーナさん自身も娘の影響を受けて、日本語を三年前から勉強するようになった。
現在娘さんは日本語の勉強をやめてしまったが、もう一度興味を取り戻してくれることを期待しているという。
政治、経済や地理などの現実的なことだけでなく、何か目に見えない世界も日ロ友好に協力しているらしい。
(サンデー掲載:4月24日)