米国・ニュージャージー州在住
アンダーソン京子
広い土地を持つ文明国
ニュージャージー州は幾筋もの川が流れている。ガーデンステートと呼ばれ、森がペンシルベニア州にかけて続き、まさしく緑の多い州である。ニューヨークと近接するが、都会の人込みなどは見られない。なのに人口密度は全米平均に比べたらトップの部類だ。やはり米国は人口の割に面積が広いのだろう。
ヨーロッパから人々が新天地を求めてやってきた時、私の町にもアメリカンインディアンが住んでいたという。州内の町の名前でインディアンの言語に由来したものも多い。川岸からずーっとなだらかな丘が続き坂が多い。昔はこの丘が林であり、森であったに違いないが、今は民家でその面影はない。
昔と今が脳裏で交差し、雨や雪が降る時、ふと思うことがある。当時は雨でも雪でも馬か馬車に乗って行かねばならなかっただろう。どんなに雨露をしのぐのに大変で寒かっただろうかと。それに比べ、現在どんなに文明の恩恵にあずかっていることか! 感謝である。
なぜ、米国で自動車産業が発達したかがよく分かる。土地が広すぎて車なしではどこにも行けないし、何もできず、生きていくのに困難を伴うからだ。子供も車なしには友達の家に遊びにも行けない。
昔のことに思いをはせながら、これから私たちは何を未来に残せるのだろうかと、ここの水と木と土を見ながらさまざまな思いが行き交った。
(サンデー掲載:4月17日)