南ア共和国・ヨハネスブルク在住
長野康彦
心のオアシス・ナミビア
私はアフリカ最大の都市、南アフリカのヨハネスブルクに住んでいる。時折、その「都会」から離れたくなることがある。そういうわけで先月下旬、ふらりと隣国のナミビアを訪れた。
ヨハネスブルクから首都ウィントフークまでは陸路千八百キロの道のり。一日で走ってしまうことも可能だが、動物が活動する夜間の運行は避けた方が無難だ。余裕をみて国境前の町アピントンに投宿する。
翌朝、国境を通過してナミビアへ。道路の両側は低灌木と赤茶けた大地が広がり、何時間も同じ光景が続く。
ウィントフークには午後四時ごろ到着。疲れて宿のベッドに横たわり、一時間半ほど眠る。起きると外はまだ明るい。しかし日はだいぶ西に傾いている。ナミビア特有の暑くてもカラッとした空気が心地よい。
翌朝はナミビア第二の都市、スワコプムンドに移動。ウィントフークから四時間ほどの道のりだ。都市とは言っても数キロも走れば人家はなくなり、そこに広がるのは荒涼たる大地。スワコプムンドは、ナミビア随一の観光のメッカで、避暑客でもにぎわう。
荒々しい自然に向き合うと、太古の昔、地球の地殻変動はどんなで、いかなる生物が生存していたのか−なんて、普段は考えもしないことに思いがいたる。私にとってナミビアは、疲れた心を癒し、自然に回帰させてくれる心のオアシスである。
(サンデー掲載:3月20日)