ドイツ・ノイス在住
若山計雄
トルコのEU加盟の道
ドイツに住む外国人のうち、一番多いのがトルコ人で、次に多いイタリア人の約三倍にも上る。ほとんどの八百屋はトルコ人によって経営され、パンに肉とサラダを挿んだドナーケバブというトルコの食べ物を売る店は、大きな町の至るところにある。
昨年十二月に、欧州連合(EU)への加盟交渉を始めることが合意され、トルコの四十一年来の願いがいよいよ現実味を帯びてきた。EUの前身である欧州共同体(EC)に正式加盟を申請したのは一九八七年だが、最初の希望を伝えたのは一九六〇年代にまでさかのぼる。
EUに新規加盟するためには、いろいろな条件があり、みたされなければならない基準が定められている。例えば、市場経済が機能し、競争力に対応できる経済基準、自由と民主主義を尊重する政治的基準といった具合だ。トルコはその条件を満たそうと、改革を進めてきた。
もしトルコが加盟すれば、EU初のイスラム教国として、イスラム社会と西洋キリスト教社会をつなぐ懸け橋となり、中東地域の安定につながると期待されている。
しかし半面、慎重論も強く、EUの内部対立の原因を増やし、全体の結束力を弱めると警戒する声もある。実際、まだ加盟が決まったわけではなく、交渉開始は今年の十月で、決定までさらに十年から十五年もかかると言われている。その道のりは決して平たんではない。)
(サンデー掲載:2月20日)