ロシア・ハバロフスク
吉田碩俊
建設ブームの「光と影」
「隠れた国際都市」ハバロフスクには、極東連邦管区大統領府が置かれており、文字通りロシア極東の政治・経済・文化の中心である。同じ極東の主要都市ウラジオストクと比較した場合、経済や人口の規模の点では劣るが、景観の美しさ、最近の経済成長率ではハバロフスクに軍配が上がる。
近年、国内外の企業の進出が著しく、ハバロフスクは空前の「建設ブーム」を迎えている。ロシア風の外観を残しながらのビルの改築現場や新しいアパートやビルの建築現場を、至るところで見かける。オフィスの値段も場所によっては、週ごとに二百ドル近くも上がっていたりする。そして物件を購入して、きれいに内装した後、オフィスとして売り出すビジネスも盛んだ。
前途洋々たるハバロフスクのようであるが、その一方でこの現象を喜ばない人たちもいる。市の中心街に高層ビルを建設した際、付近の住人の日照問題が生じたり、子供の遊び場がなくなったりして、裁判問題にまで発展するケースもある。
さらに地場産業が危機を迎えている。モスクワと地方の経済格差は約五倍だと言われている。モスクワの企業にとって、ハバロフスクの安い土地はたまらなく魅力的なのだ。
今、ハバロフスクをはじめとする地方に必要なのは、一時的な経済の発展に惑わされず、地元の産業を守っていくという強い意識だろう。
(サンデー掲載:2月13日)