米国・ニュージャージー州在住
アンダーソン京子
身近で起きた飛行機事故
私の住む町から車で西へ十分ほど走ると「ティタボロ」という町に着く。面積のほとんどが「ティタボロ空港」と呼ばれるセスナ機専用の飛行場で占められている。
その飛行場はマンハッタンのミッドタウンから十九キロに位置し、三・三五平方キロで、端から端まで肉眼で確認できる広さだ。
周りは別の町の民家が密集し、工場地帯や郡立の高校があり、ハイウエーも三本設置されている。田舎ではあるが、州でも人口密度の高い場所だ。
平和に思えるこの小さな町に飛行機事故が発生した。今月二日午前七時半ごろ、法人所有のセスナ機が離陸に失敗し、柵を突っ切り、信号で止まっている車と追突、さらに衣料製作工場に衝突した。工場では仕事が始まり、付近では高校生が登校していた。幸いにも死者はなかったが、機内にいた十一人と自動車内の二人を含めた合計二十人の負傷者がでた。
米国でも利用率の高い空港で、日に五百機が離陸する。午後五時ごろには五分ごとにセスナ機がわが家の上を飛んでいく様子を見て、時々危険を感じてはいたが、これからは安全対策を求める住民運動が活発化するだろう。世の中が便利になる半面、危険性も増す。事故が起こる度に友達がいつも口にする言葉がある。「自分の命はもう既に神様によって決められている。時が来たら行くしかない」と。
(サンデー掲載:2月13日)