フィリピン・マニラ在住
梅垣知博
道路標識なしは合理的?
友人の運転で知人の家に向かったところサークル部分で道に迷った。道路は六方向に放射線状に延びているのだが、行き先の看板がなかったからだ。しばらく行って間違いに気づき道を尋ねたところ、ちょうど反対側の道路も同じストリート名だという。急いで引き返し、何とか約束の時間には間に合った。
その帰り、辺りも暗くなりかけ昼間とはまた雰囲気が違う。例のサークルに出たが、元来た道が分からなくなってしまった。道路脇にいた男性に道を聞いてその説明通りに行ってみたが、どうも違う。
運転手の友人は、どうやっても来た道から帰りたいと車を降りて道路検分を始めた。ようやく来た道を見つけ、帰宅の途についたが、その間三十分のロス。友人は、「道路に標識がないなんて不親切だ」とブツブツ文句を言っていた。
ところが途中で渋滞に巻き込まれた。片道各二車線の道路だが反対車線は空いている。ところがしばらく行くと、こちら側の車線が三車線になっている。そんな標識はないはずだが、だれかが反対側一車線を走行し他の車も追随したらしい。
友人もちゃっかり反対車線にはみ出して走行し、言った。「この国の道路は合理的にできているな」。友人もこうしたこの国の暗黙の交通ルールが渋滞を引き起こしているのは知っているはずなのに、都合のいいことには目をつぶっているようだ。
(サンデー掲載:2月6日)