韓国・ソウル在住
京谷訓浩
外交文書公開の「波紋」
一九六五年に締結された日韓基本条約の請求権関連文書五十七冊のうち五冊が十七日、韓国政府によって公開されました。
これは、日本の植民地支配による被害者九十九人がこの五十七冊の公開を求め、外交通商部を相手にソウル行政裁判所に情報公開拒否処分取消訴訟を起こしていましたが、昨年二月十三日の判決で、五冊が公開されることになりました。
これによって、韓国が日本から受け取った金額が、条約締結後の死亡者遺族八千五百五十二人に限り補償した二十五億六千五百六十万ウォン で、結果的に当時の政府が日本からの経済協力資金を獲得するため、被害者らの個人補償請求権を犠牲にしたとも解釈されるため、波紋が広がっています。
私は韓国に住んでいる日本人という立場で見ると、日韓の関係修復は表面上はうまくいっているようですが、実は全然解決されていない問題であることを肌身に感じています。
やはり韓国人としては、韓国に多大なる被害をもたらした怨讐の日本が、あろうことか敗戦したにもかかわらず、世界でも有数の豊かな国となって暮らしていることが許せないという一面があるように思われます。
その反面には、豊かになった国日本が、その豊かさを自分たちのために使うのではなく、世界のために使っていくような国になることを求められているように思えてなりません。
(サンデー掲載:1月30日)