エジプト・カイロ在住
鈴木眞吉
超近代的なカサブランカ
カサブランカという言葉はあか抜けした、しゃれた、ロマンチックな響きを持っている。モロッコはもとより、マグレブ諸国の中で最大の商業都市であるカサブランカは、白を基調とした近代的なビルやマンションが立ち並ぶ明るい活気にあふれた都市だ。これもアラブ?と思わせるほど、目を見張るばかりの超近代的風景に驚かされる。
カサブランカの中心部にモハメッド五世広場があり、そこから連なるメーン通りに、噴水が美しい国連広場、時計台を持つ市庁舎、緑豊かな前庭を持つ裁判所、広い敷地を持つアラブ連盟公園などがある。
しかし、カサブランカ最大の見どころは二十世紀最大の芸術作品とも言われるハッサン二世大モスクだ。波の荒い大西洋沿岸にそそり立つ壮大な建築物は敷地九ヘクタール、モスクが二ヘクタール。収容人数は内部二万人、敷地内八万人。説明者はイスラム教の聖地メッカとメジナに遠慮して、壮大さは世界第三位と語ったが、ミナレット(尖塔)の高さは二百メートルで世界最長。内部に施された各種文様はすべてが手作りで、気の遠くなるような精巧さで彫られている。一九八六年から八年の歳月をかけて一九九三年に完成した。モロッコ国民の精神的より所として大きな役割が期待されている。
また、街のレストランで食べたタジン(モロッコの主食、各種肉と野菜などを土鍋で煮たシチューのようなもの)のおいしさも忘れられない。
(サンデー掲載:1月30日)