韓国・京畿道九里市在住
志田康彦
「陰陽五行」を基に命名
最近、日本の家系図にあたる族譜(チョッポ)をいろいろ調べてみたところ、新しい発見があった。それは韓国人の名前についてである。
族譜というのは自分が所属する宗族(氏族)の家系図にあたるもので、父、祖父はもとより初代の先祖が誰であったのかも一目でわかるように記録されている書物。族譜は男性中心に記録されているが、配偶者や女の子の名前も記録されている。また、先祖から数えて自分が何代目の子孫なのかも簡単にわかる。このような自分のルーツがはっきりとわかる書物を持つ民族は、韓国以外にはないといわれている。
族譜を見ると、同族で代数が同じ場合、名前の一文字はトルリムチャ(行列字)と呼ばれる同じ漢字を使うことになっている。例えば、“韓勝救”のように普通韓国人の名前は三文字だが、ここで名前の部分である“勝救”の中の一文字が決められているのだ。そのため、自分の兄妹や従兄弟は名前の一文字が同じため、名前がよく似ている。
最近、私はこの文字が陰陽五行思想に基づいてつけられてことに気がついた。つまり、十四代目には木がついた漢字を、十五代目には火のついた漢字という具合に、木火土金水の順序で、宗族の人間関係が損なわれないようにつけられていたのだ。名前ひとつにも宇宙の深い真理をあてはめるところに、韓国人の知恵と深い心情を知ったようでびっくりした。