韓国・ソウル在住
竹井弘樹
7年目に分かった出来事
文化・習慣の違いはなかなか気づかず、ときに理解できない光景として映ることも多い。実際、最近私が韓国のアカスリ文化に関する本を読んだときに、七年前に起こった出来事がようやく理解できたという、目から
鱗が落ちる体験をした。
今から七年前、韓国の知人が日本の実家に泊まりに来たときのこと。遠くからの移動で旅の疲れを癒してもらうため、知人に最初に風呂をすすめた。知人はすっきりした様子で風呂を終えて出てきた。しかし、その後、私が風呂に入ろうとしたとき、すっかり風呂の水が抜かれ、あっけにとられたことがあった。
その本によると、日本と韓国は入浴に対する概念が根本的に違い、日本の場合、風呂は疲労回復や健康への意識が強い。対して韓国では風呂は汚い体を洗い流しに行くという宗教的かつ洗礼的な意識が強いとある。
日本では体を流した後、体を湯船につけて暖めるだけなので、家族全員が交代で同じ湯を使うと考えるのが普通だが、知人は自分の体をつけた湯を他人が使うことは想像できなかったので、湯の水をきれいに抜いておいたわけだ。一回一回湯を抜くから、韓国には風呂ブタが必要ないことにも気づいた。
普段なにげなく体験することでも、このように文化的、習慣的な概念の違いを理解しておかないと、ささいなことから誤解が生じ得るとつくづく思った出来事であった。