ブラジル・マットグロッソドスル州在住
濱田純一
バス内強盗の撃退方法
国際空港のあるサンパウロから私の街までは、バスで十三時間。サンパウロからはいつもバスを利用しているが、四列で四十四人乗りのものから、三列で足を伸ばせる寝台車まで数種類ある。
世界的な石油価格の高騰のあおりを受ける形で、ブラジル国内でもガソリン代はぐんぐん上がっていて、庶民の足であるバス代も、それに合わせて便乗値上げである。長距離バスも、利用する度に少しずつ高くなっているようで、一般の乗客は大変だ。
さて、ブラジルでは強盗が多いが、バスの中でもよく強盗が出現する。もっとも、道端の物取りと変わらない、軽い気持ちでやる若者も多いようで、私のよく知るおばさんは、リオに住んでいたころ、二度もバス強盗に遭遇しながらも、なんとバスの中で強盗を撃退しているのである。脅されても、頑として「あなたは、このバスから出て行きなさい!」と、持ち前の大声で何回か叫ぶと、車から出て行ったというのである。
サッカーのスーパースターなども平気で襲う街の強盗たち。ただし、高級車を襲った強盗が、乗っていたペレの顔を見た時だけは、「スミマセン」と謝って退散していった、というエピソードはかなり有名だ。でも、トラに会ったらどうしよう、と考える前に、トラに会わないように、できるだけ安全なルートを使いたいものである。